弱い絆の強さ

「弱い絆の強さ(弱い紐帯の強さ)」“The strength of weak ties”は、1973年にスタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェターが発表した同名の論文で指摘した社会的ネットワークの概念です。

グラノヴェターは、 就職先を見つける際に役にたった“つて”を調査し、 調査対象者のうち16%の人が「しょっちゅう」会っている人の“つて”で仕事を得たのに対し、84%の人が「時たま」あるいは「ごくまれに」しか会わない人の“つて”で就職していたことをつきとめました。この事実から、 身近な人の情報は自分の情報と重なっている部分が多く、有益な情報は「あまり身近でない知人」が多くもたらすという結論を導き出しました。

弱い絆の強さ

弱い絆の強さ

これは、「弱い紐帯」で結ばれた比較的疎遠な関係は、「強い紐帯」で結ばれた緊密な関係よりも、有益な情報をもたらすと一般化されました。

 

この考え方は、社会的ネットワーク理論において非常に重要な発見となっただけでなく、企業のイノベーションや創造性研究の分野においても、「弱い絆」の集合がもたらす創造性は、同一組織内や似たような環境にいる近しい存在の集合による創造性よりも、優れた結果をもたらすという一連の研究へと発展しました。