ベンチマーキング

ベンチマーキング

By: hasegawa | No Comment | Business Planning, Notes

ベンチマーキングは、競合を中心とした他社のベスト・プラクティス(最良事例)に学ぶ業務改善手法で、米ゼロックス社のR.C.キャンプが提唱者と言われます。

まず、他社のベスト・プラクティスを見出し、それと自社の現状とを比較し、ベスト・プラクティスを構成する様々な要素、例えば業務プロセスの方法や時間、結果としての財務指標等の数値のギャップを比較します。

そして、この測定数値のギャップを埋めていくことによって、自社の改善を図ります。

 

ベンチマーキングで良い効果を得るためには、自社の属する業界や市場の競合相手だけでなく、幅広い業界・市場のプレイヤーからベスト・プラクティスを見出すことが必要となります。いかに有用なベスト・プラクティスを見出すことが出来るかによって、ベンチマーキングの効果は大きく依存します。しかし、実際には他の業界・市場の範囲は広大なので、自社が参照すべきベスト・プラクティスがどこにあるのか、またそれは本当に“ベスト”なのか、他の業界・市場にさらに“ベター”はないのか、という疑問が常に付きまといます。

 

逆に、広範な業界・市場からベスト・プラクティスを見出すのが難しいので、狭い競争範囲の中でベスト・プラクティスを見出してベンチマーキングを実践した場合、理論上は“最良の競合”に並ぶことは出来ても越えられない、というジレンマが指摘されます。

したがって、一般的にベンチマーキングは、企業の革新(イノベーション)のエンジンではなく、改善の手法であると位置づけられます。

ただし、異なる業種・業界・市場のプレイヤーからのアナロジカルなベンチマーキングが功を奏した場合、革新的な飛躍(イノベーション)に繋がる可能性を秘めています。