経験曲線効果

経験曲線効果

By: hasegawa | No Comment | Business Planning, Notes

経験曲線効果(エクスペリエンス・カーブ:経験曲線、経験効果)とは、1960年代にボストン・コンサルティング・グループが発見した法則で、同一製品において「累積生産量が増加するにつれて、単位当たり生産コストが一定の割合で低下していく」というものです。

一般的に、累積生産量が2倍に増えると、単位当たり生産コストは20~30%低下すると言われています。別の言い方をすれば、累積生産量が2倍になると、単位当たり生産コストが80~70%になります。

 

経験曲線

経験曲線

 

  • 同じ製品を同じ時期に生産を始めた2つの企業があるとすると、1年後の単位当たり生産コストは、シェアの大きな企業のほうが低くなります。これは、同一時間においては、シェアの大きな企業のほうが累積生産量において勝るためです。これは、「規模の経済」と並んで、業界リーダー企業のコスト・リーダーシップ戦略を正当化するひとつの重要な根拠となります。
  • ある時点でシェアが均衡している2つの企業があるとすると、早い時期に参入した企業のほうが一般的に単位当たり生産コストが低くなります。これは、現時点での生産量は2社とも変わらなくても、早くから参入している企業のほうが累積生産量において勝るためです。これは、「スイッチング・コスト」などと並んで、1st Mover Advantage(ファースト・ムーバー・アドバンテージ:先行者の利益)を正当化するひとつの重要な根拠となります。

 

経験曲線効果の理由は複数考えられており、代表的なものは以下の通りです。

  • 学習による組織・人材の能率向上
  • 生産プロセス、購買、ロジスティクスの改善
  • 作業の標準化/職務の専門家・分業化
  • 製品の標準化/設計の改善

 

この経験曲線効果は、プロダクト・ライフサイクルと並んで、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の根拠となる概念です。