SWOT分析は、企業が戦略を構築するにあたって、自社の置かれている状況を網羅的に分析し、そこから新たな戦略オプションを見出すためのフレームワークです。単体で簡易的に用いられることもありますが、多くの場合は他のフレームワークを総合するフレームワークとして、いわばメタ・フレームワークの役割を果たします。SWOT分析は、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字で、大きく分けて、内部環境分析のS(強み)とW(弱み)、外部環境分析のO(機会)とT(脅威)に分けることができます。
内部環境にあるStrengths(強み)&Weaknesses(弱み)は自社がコントロール可能な事柄であり、それに対し外部環境にあるOpportunities(機会)&Threats(脅威)は基本的に企業が自力で制御できない事柄です。もちろん、後者の場合はそれに対する打ち手を講じることで「対処」はできます。ただ、その事象そのものの「制御(コントロール)」して起きないようにすることなどは難しいと考えられます。たとえば、関税の撤廃や法的規制などは、政府に働きかけることはできてもコントロールは難しいと言えます。
SWOT分析は、大きく2つのステップに分けることができます。
まず、外部環境分析と内部環境分析として、SWOT要素をリストアップします。これが第1ステップです。
第2ステップは、これらの4要素をクロスさせて、自社の戦略オプションを導き出します。
1st ステップ:SWOT要素の抽出
【外部環境分析】(マクロ環境分析)
<機会>自社の事業活動の機会となりうる要素は?
<脅威>自社の事業活動の脅威となりうる要素は?
代表的な分析フレームワーク:
【内部環境分析】(ミクロ環境分析)
<強み>自社の強みは?
<弱み>自社の弱みは?
代表的な分析フレームワーク:
※外部環境、内部環境の両分析にまたがるフレームワークとしては、3C分析などが挙げられます。VRIO分析も業界他社との比較という性質から、純粋な内部分析というよりは、内部を軸とした比較分析であり、その意味では両者にまたがるフレームワークと言えます。
2nd ステップ:打ち手の検討