VRIO分析

VRIO分析

By: hasegawa | No Comment | Business Planning, Notes

VRIO分析は、J.B.バーニーが提唱するRBV(Resource Based View:資源ベース理論、資源論)のコアとなるフレームワークです。

 

RBVは、競争優位の源泉は、企業内部の経営資源やその活用能力にあるとしており、その意味で「ファイブ・フォース・モデル」と「3つの基本戦略」を主軸とするM.E.ポーターの「ポジショニング論(ポジショニング・アプローチ)」のアンチテーゼないし補間理論と考えられています。すなわち、ポジショニング論は、外部の5つの競争対象を分析した上で、自社が最適なポジションを築こうとするのに対し(外部依存的)、RBVは外部環境から自社の方向性を考え始めるのではなく、自社の内部資源から競争優位を獲得しすようとします(内部依存的)。

 

VRIO分析は、自社の内部資源が競争優位を確立するポテンシャルを持っているのかどうかを見極めるための4項目からなるチェックリスト的なフレームワークです。

 

VRIO分析

VRIO分析

 

【Value】(経済価値)

その経営資源は、外部環境における機会を生かすことが出来るか?もしくは、外部環境の脅威を無力化することができるか?

 

【Rarity】(希少性)

市場においてその経営資源は希少か?その経営資源を豊富に保有する競争相手はいないか?

 

【Inimitability】(模倣困難性)

自社の保有するその(有力と目される)経営資源を他の競争相手が保有するのに多大なコストがかかり、困難を極めるか?

 

【Organization】(組織)

その経営資源を活用するための組織能力や組織的制度は整っているか?


 

  • 経済的な価値を有していたとしても、その価値が他社も有していては優位性はなく他社と同等の標準的価値にすぎません。
  • その価値が希少であれば少なくとも優位性は得られますが、模倣が容易であればその優位性は一時的なものとなってしまいます。
  • 価値があり、希少で、なおかつ模倣困難であれば、その優位性は持続的なものとなり得ます。
  • ただし、これらの資源をうまく活用する器としての組織の仕組みがなければ、優位性を確立することはできません。組織の仕組みは、経営資源を補完する重要な資源です。
  • とくに、組織の仕組みやノウハウは外部から見えにくいため、成功との因果関係も見えにくく、模倣が困難であるという特性を有しています。